ポストシーズンもセミファイナルの激闘を経て、各地区のファイナルへと突入した。今回は第2シードと第8シードが激突する一戦をマッチプレビューしていこう。
セルティックスとヒートの勝ち上がり
イースタン・カンファレンス2位のボストン・セルティックスだが、プレーオフは苦戦が続いている。タレント力は申し分なく、チームとしての連携面も問題ない。一方で経験値だけが懸念材料だ。主力選手のほとんどが20台半ばであり、ヘッドコーチも就任1年目。勝負所での判断やアジャスト力には不安があるかもしれない。
一方のマイアミ・ヒートは下位シードからの快進撃を続けている。といってもレギュラーシーズンとは全く別のチームとなっており、ここまで勝ち残るのも頷けるような戦いぶりだ。ジミー・バトラーの活躍は注目だが、ヒートらしい守備力が光っている。
2022-2023シーズンのレギュラーシーズン成績
・2022年10月22日:セルティックス 111-104 ヒート
・2022年12月1日:セルティックス 134-121 ヒート
・2022年12月3日:ヒート 120-116 セルティックス
・2023年1月25日:ヒート 98-95 セルティックス
レギュラーシーズンの対戦は五分五分。
試合の注目ポイント
経験と勝負強さ
第8シードであるヒートの勝ち上がりからも分かるように、シリーズの結果は全く読めないカードだ。そして、チームの完成度を含むあらゆる要素を無視する展開になると予想する。何と言ってもバトラーの「プレイオフジミー」がその代表例だ。厳しかろうと予想されたミルウォーキー・バックス戦でも、相性が悪そうなニューヨーク・ニックス戦でも独力で勝利に導いた。二度も驚きを与えただけに、セルティックス戦でも一人で試合を決め切る可能性はあるかもしれない。
個人技で打開する理屈では説明できない力があるほか、もう1つの大きな武器はヘッドコーチの経験だろう。エリック・スポールストラは優勝を経験する百戦錬磨の将であり、ジョー・マズーラは1年目の指導経験。クラッチタイムに強いヒートに対して、勝負所で下す重要な決断は多く発生するはず。タレント力に優れるセルティックスでも選択の掛け違いで黒星を重ねる可能性はありそうだ。
キープレイヤー
ジェイソン・テイタム(セルティックス)
ヒートにはプレイオフジミーがいるが、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ第7戦のテイタムはそれに匹敵していた。理屈で説明できない展開になるのであれば、テイタムも続いて欲しい。ただセルティックスの本質はチームで連携するバスケット。基本はチームで崩すオフェンスを続けながらも、勝負所でチームを引っ張る意味合いとして期待したい。
ジミー・バトラー(ヒート)
今シーズンはバトラーの活躍無くしてヒートの躍進はありえなかった。既に実力はホンモノだと証明されたが、どこまで通用するか見てみたい。セルティックスの守備は要所でダブルチームを敷くため、ニックス戦以上に厳しいマークになるだろうが、独力でねじ込むのか、アシスト役に徹するのか、ロールの選択肢にも注目だ。
結果予想
セルティックスの勝利
セルティックス4:ヒート3
ヒートの素晴らしいストーリーを信じたい気持ちはあるが、セルティックスのチーム力は疑いようがない。そして、ポストシーズンも3カード目に入った。バトラーの疲労が現れてくる時期にもなってくるはず。