5月23日、ロサンゼルスのクリプトドットコム・アリーナでNBAプレーオフ2023ウェスタン・カンファレンス・ファイナル、デンバー・ナゲッツ対ロサンゼルス・レイカーズの第4戦が行われ、113-111と接戦を制したナゲッツがチーム史上初となるNBAファイナル進出を決めた。
ナゲッツ対レイカーズのファイナル結果|2022-23シーズン
・第1戦:ナゲッツ 132-126 レイカーズ
・第2戦:ナゲッツ 108-103 レイカーズ
・第3戦:レイカーズ 108-119 ナゲッツ
・第4戦:レイカーズ 111-113 ナゲッツ
試合のキーポイント
インサイド勝負
サイズに優れるナゲッツとフィジカルに優れるレイカーズ、プレビューでも予想していたようにインサイドの攻防が差を分ける命運となった。レイカーズはリバウンド勝負で勝ち残ってきたが、同じ特性を持つナゲッツには非常に苦しめられた。
レイカーズはプレーオフ通算で44.6リバウンドを記録したが、対ナゲッツ戦では38.3まで減少。一方のナゲッツはプレーオフ通算の44.2から数字を減らした43.8だったが、レイカーズよりもおよそ6ポイント上回った。セカンドチャンスポイントこそレイカーズに譲ったものの、オフェンスの主導権を掴んでいる。
スリーポイントの差
両チームのフィールドゴール成功率はナゲッツが49.3%に対し、レイカーズは47.6%をマーク。スイープで決着したシリーズにしてはその差1.7%と多くない。そこで大きな差を生んだポイントはスリーポイントの確率にある。
ヨキッチを起点としたカッティングが得意なナゲッツ、フィジカルでインサイドを攻めるレイカーズはともにペイントエリアで得点を重ねることを得意とする。レギュラーシーズンでスリーポイントを多投しないスタイルだが、ナゲッツはインサイドを囮に効果的な長距離砲を沈めてきた。
特にこの試合はヨキッチ対策でインサイドをダブルチーム気味に絞ったことで、ナゲッツのアウトサイドは頻繫にフリーとなった。ヨキッチを抑えても二桁得点者が6人いるナゲッツを抑えることは難しく、チームで崩せるストロングポイントを見せつけた展開だった。
キープレイヤー
ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)
NBA歴代屈指のセンターはカンファレンスファイナルでも圧倒的なマルチパフォーマンスを披露した。4戦通算で平均27.8得点、14.5リバウンド、11.8アシスト、フィールドゴール成功率50.6%、スリーポイント成功率も47.1%を記録。
ジャマール・マレーの覚醒で得点は減らしたが、アシストやリバウンド数を増やしてチームに貢献。厚みのあるオフェンスでレイカーズの対ヨキッチ対策を掻い潜った。
今プレーオフのアンソニー・デイビスは神懸っていたが、そのデイビスが抑えられないヨキッチをマンツーマンで抑えられる選手は皆無かもしれない。
八村塁(レイカーズ)
贔屓無しでプレーオフの八村は凄かった。ヨキッチ対策の中心としてディフェンスで活躍し、オフェンスでも平均15.3得点を記録。プレータイムが多い選手では唯一±評価でプラスとなり、コート上の存在感は大きかった。
ナゲッツ戦ではスリーポイント成功率を落としてしまったが、ポストシーズンでここまでやれれば来シーズンも大いに期待が出来そうだ。チームはシーズン後半戦に調子を上げてきただけに、ロスターのバランスを整えることが出来れば、再びこの大舞台に戻ってくる可能性も十分にある。