4月27日、ミルウォーキーのファイサーブ・フォーラムで行われたイースタン・カンファレンスのプレーオフ・ファーストラウンド第5戦、ミルウォーキー・バックス対マイアミ・ヒートの一戦はオーバータイムの末に126-128でヒートが勝利し、シリーズ4勝1敗でヒートがセミファイナル進出を決めている。
第1シードのバックスが第8シードのヒートにアップセットを起こされる驚きの展開となった。
バックス対ヒートの試合結果|2022-23シーズン
・第1戦:バックス 117-130 ヒート
・第2戦:バックス 138-122 ヒート
・第3戦:ヒート 121-99 バックス
・第4戦:ヒート 119-114 バックス
・第5戦:バックス 126-128 ヒート
試合のキーポイント
バックスの大不調とハイスコアゲーム
バックスとしては相性が良いと見込んでいたヒート相手にまさかの敗戦を喫した。両チームのスタイル的にインサイド勝負が予想されるわけだが、直近のヒートはホークスのクリント・カペラを相手にインサイドで大苦戦をしたばかり。ヤニス・アデトクンボという怪物インサイドプレイヤーを擁すバックスには苦戦必至と考えていた。その予想を覆したヒートはインサイド勝負で的確に勝負を仕掛け、ショートレンジのショットは61.6%と非常に高い確率で沈めてみせた。
そして驚きなのは守備がウリの2チームの対戦ながらハイスコアゲームになったことだ。レギュラーシーズンのディフェンシブレーティングはバックスが110.9でリーグ4位、ヒートは112.8で同9位となっている。だがプレーオフではバックスが119.0、ヒートが114.2と大幅に悪化。ヒートはその差が2得点に留まっているが、バックスは9得点と非常に大きい差でそのまま勝負に直結していそうだ。
ヒートの勝負強さ
しかし、試合の出来に大きな差があるとは思わない。局面においてはバックスの方が優位に試合を進めた場面もあっただけにバックスが勝ち進む可能性は十分にあった。
そこで大きな差を生んだのは「プレーオフバトラー」をはじめとするヒートの勝負強さだろう。いわゆる残り時間わずかで拮抗した展開のクラッチタイムで、ヒートは一気にビッグクォーターを作り出していた。その時間の得点でヒートはプレーオフチーム断トツの21.0得点を記録。一方のバックスは12.0得点で勝負どころで力を発揮することが出来なかった。現にヒートは第4Qの段階で大差がついた場合でも大逆転を収めるケースが多かった。
キープレイヤー
ジミー・バトラー(ヒート)
5試合の平均で37.6得点という大活躍。大舞台での勝負強さを見せつけたカードとなった。本来は苦手としているスリーポイントも44.4%を決めており、バトラーの勢いを感じる。バックスが得意とするインサイドとペリメーターのディフェンスをものともせず、バトラーの出来がそのまま勝負に直結したと言っても過言ではない。
ヤニス・アデトクンボ(バックス)
1試合目で負傷した影響で3試合の出場にとどまり、本来の力を発揮することが出来なかった。ヒートはインサイドとミッドレンジで勝負するプレイヤーが多く、ヤニスはヒートオフェンスをシャットダウン出来るだけの選手。キープレイヤーがいなかったバックスはやはり厳しいシリーズとなってしまった。