少し前に報じられたニュースだが、シクサーズの大エースであるジョエルエンビードが近々フランス国籍を取得する可能性が浮上したようだ。
エンビードはフランス語を公用語のひとつとしているカメルーンに生まれ、アメリカの高校に入学するまで同国で生活。フランスで育った経歴はないが、血縁がパリにおり、すでに帰化の申請手続きを開始しているようだ。実現すればフランス代表でプレーする可能性がある。
エンビードとしては2024年のパリオリンピックでフランス代表入りを目指しており、国際大会に出場したことのないエンビードにとっては重要な機会になりそうだ。
FIBA(国際バスケットボール連盟)は、すべての代表チームに1名まで帰化選手をロスターに加えることを許可しており、日本代表でもギャビンエドワーズが東京オリンピックで出場している。
フランス代表は2021年の夏に行われた東京オリンピックで帰化選手枠を使用せずに選手を招集。この国籍変更が実現すればエンビードがルディ・ゴベアと組む屈指のツインタワーが国際舞台で実現するかもしれない。
ただしこの国籍変更には様々な意見がある。
まずはエンビードが何の関係もないフランスの選手としてプレーするということ。
この件に関してはエバンフォーニエもコメントとしており、「自分は、縁もゆかりもない国のためにプレーするのはどうかと思う。代表は単なるスポーツ的なチャレンジではない。ジョエルを非難しているわけじゃない。ほかの代表チームがそういうことをやっているのが気になるんだ。だからレ・ブルー(フランス代表)であっても同じこと。それに、ルディへのリスペクトは一体どこにあるんだ? フランス代表のために毎年、夏を犠牲にしている選手たちの立場はどうなる」
確かにその通りだろう..
国の代表として戦う選手がその国と何の縁もないというのは矛盾したように感じる。似たようなケースでは今後出身のサージイバカがスペイン代表としてプレーしているが、スペインのリーグでプレーをしていた背景があってのこと。エンビードもフランスのリーグでプレーしていれば、また違った状況になっていたかもしれない。
そしてゴベアと共存できるかとのこと。
こちらに関してはプレーエリアが被らないため、十分機能するという意見が多い。過去にはアメリカ代表に対してセンター2人を起用して勝利したこともあり、エンビードが加わることによりその戦術は更に磨きがかかりそうだ。
いずれにせよ2024年の国際大会はまだまだ先。国籍変更が実現すれば自国開催のオリンピックとなるが、本当に実現するのか続報を待ちたい。