トレード解禁から2か月ほどが経ち、落ち着きを見せた移籍市場で衝撃が走った。
クリーブランドキャバリアーズとユタジャズの2チーム間でトレードが合意。
トレード内容
キャバリアーズ獲得
・ドノバンミッチェル
ジャズ獲得
・コリンセクストン
・ラウリマルカネン
・オチャイアバジ
・2025年 NBAドラフト1巡目指名権
・2027年 NBAドラフト1巡目指名権
・2029年 NBAドラフト1巡目指名権
・2026年 NBAドラフトスワップ権
・2028年 NBAドラフトスワップ権
前々から噂に上がっていたドノバンミッチェルが遂に動いた形となった。
その点はサプライズではないだろうが、行き先がキャバリアーズということで個人的には驚いている。
昨シーズンは想像以上の躍進を見せ、プレーオフまであと一歩と近付いていたチームだけに、戦力は維持するものだろうと思っていた。マルカネンを含めたビッグラインナップは機能していたし、連携を高めればあと一歩でも二歩でもステップアップできる余地は残っていたはず。ましてやドラフトで獲得したアバジはガーランドの横でプレーするには最適なタイプでもあっただろう。
それを崩してでもミッチェルを獲得した背景にはどのような理由が考えられるのか。今回のトレード内容から両チームの方向性を予想していく。
キャバリアーズの狙い
若手、中堅、ベテランをバランスよくロスターに揃え選手層は厚い。
しかし、プレーオフで勝ち抜くためには選手単位のクオリティが少し劣っていた感は否めない。オールスター選手が多数いれば勝てるというわけではないが、連携と連携がぶつかった時にはやはり個人能力が高いほうに分がある。
今回の補強にはある程度のリスクを負ってでも、プレーオフを想定した少数精鋭のチーム作りを行ったのではないだろうか。
ややドラフト指名権を出し過ぎな感はあるが、、、
一方でディフェンス力の低下、昨シーズンとは打って変わってスモールサイズになる懸念がある。恐らくガーランドとミッチェルを並べてくるだろうが、リーグでもアンダーサイズなミッチェル加入はミスマッチを作られかねない。
そこで守備職人のオコロが肝となるが、彼もまたウイングとしてはややアンダーサイズ。インサイドの守備は堅いものの、ペリメーターディフェンスに苦労するかもしれない。
オフェンスもディフェンスもチームで連携するだけに、その弱点をどうカバーするかに注目をしたいところだ。
ジャズの狙い
ゴベアに続き、ミッチェルの放出は完全なる再建を意味する。マイクコンリー、ボグダノビッチは今シーズンいっぱいで契約が切れ、ジョーダンクラークソンはシーズン終了後のプレイヤーオプション破棄が濃厚。
1年間は現有戦力で戦いつつ、今シーズンの終了後に更にチームが様変わりすることが予想される。
コリンセクストンやテイレンホートンタッカー、ニケルアレクサンダーウォーカーら有望な若手は揃っているだけに、ドラフトでなくとも指名権放出で即戦力の若手獲得も選択でき、再建の選択肢は豊富だ。
今シーズンは通して消化気味となりそうだが、セクストンやアレクサンダーウォーカーの復帰後パフォーマンスを見極める重要な年でもある。今後数年に渡って、チームを形作っていくためにも様々な可能性を試す、有用なシーズンを期待したい。
今回のトレードはチームの方向性が全くの逆へと向いている内容となったが、両チームの今後の飛躍を注目していこう。