今シーズンも半分以上を折り返し、ポストシーズンを狙う真剣勝負が続いている。
その中でも注目したいのはNBAというリーグそのものに残留したい、並々ならぬ決意をもっている選手達。彼らはチームの勝利はもちろん、自身がNBAでの契約を勝ち取るために奮闘中だ。今回はそういった選手を取り上げていこう。
デニス・スミスJr
所属チーム:シャーロット・ホーネッツ
昨シーズンスタッツ:5.6得点、2.4リバウンド、3.6アシスト
派手なモンスターダンクで人気を集めたアスレチックガード。ルカ・ドンチッチ台頭の余波でダラス・マーベリックス退団後は怪我に悩まされるジャーニーマンだった。
迎えた今シーズンはラメロ・ボールの欠場もあり、キャリアで最も充実した出来かもしれない。エネルギッシュなプレイスタイルは展開の早いホーネッツスタイルともマッチしており、特にプレイメイクでチームを導いている。
アウトサイドショットが苦手なガードとして評価が低いスミスだったが、そのドライブ能力は外角のスペースをオープンにすることに役立っている。
ジャレット・カルバー
所属チーム:アトランタ・ホークス
昨シーズンスタッツ:3.5得点、1.3リバウンド、0.9アシスト
2019年NBAドラフトで6位指名を受けながら、現在はツーウェイ契約と厳しい状況のウイングプレイヤー。この年のロッタリー選手では唯一と言って良いほど、目立った成績が残せていない。
ルーキーシーズンこそ23.9分のプレータイムを貰ったが、以降は下降線を描き、今シーズンもプレータイムを貰えていない。フィジカルを活かしたフィニッシュや対人ディフェンスには自信があるが、スリーポイント精度の低さがNBAで苦戦する理由の1つだろう。
キャリアを通じて25%ほどのスリーポイント精度を改善できれば、ウイングに不安を抱えるチームとの契約もあるかもしれない。
ノア・ボンレー
所属チーム:ボストン・セルティックス
昨シーズンスタッツ:NBAでプレーせず
昨シーズンはNBAにすらいなかったボンレーを東の王者セルティックスが獲得した。恐らくインサイドの怪我人が多いことが理由だろうが、ボンレーとしてはこの機会を活用したいはずだろう。
オフェンスセットは改善の余地があるものの、フィジカルコンタクトと機動力に優れたディフェンダーとして活躍できる。イーストには強力なインサイドプレイヤーが揃うため、強豪チームとの対戦では重宝されるかもしれない。
ロバート・ウィリアムズやダニーロ・ガリナリが復帰した後でも、生き残れるかどうか注目したい。
ケビン・ノックス
所属チーム:デトロイト・ピストンズ
昨シーズンスタッツ:3.1得点、1.5リバウンド、0.3アシスト
年々成績の下降線をたどるウイングプレイヤー。ニューヨーク・ニックス放出後は更に厳しい状況に置かれている。
ノックスがNBAの適応に苦しんでいる理由としてはショット成功率の低さとディフェンス力にあるだろう。優れたフィジカルでフォワードまでこなせる万能性があるが、フィールドゴール成功率は最も高くて39.3%と決め切れていない。
ディフェンスでは機動力に難があり、ウイングながらパワーフォワードまでしかマッチアップできない。
NBAで生き残るには総合的な成長を見せる必要があるが、果たして来年オフにどのような結末を迎えているだろうか。
デニス・シュルーダー
所属チーム:ロサンゼルス・レイカーズ
昨シーズンスタッツ:13.5得点、3.3リバウンド、4.6アシスト
大型契約を求めた後にキャリアが暗転してしまったが、結局古巣レイカーズへと出戻りになった。スコアリングガード気質のスタイルはチームを選ぶが、不調が続くレイカーズの起爆剤になるかもしれない。
9月に行われたユーロバスケット2022ではドイツを銅メダルへ導き、自身もオールスター5に選出。コンディション面は万全であるため、レイカーズでの汚名返上と行きたいところだ。
アレクセイ・ポクシェフスキー
所属チーム:オクラホマシティ・サンダー
昨シーズンスタッツ:7.6得点、5.2リバウンド、2.1アシスト
210cm越えのサイズでヨーロピアンらしい多彩なスキルを備えたフォワード。その特長を聞くと絵にかいた最高の選手に聞こえるかもしれないが、過去2シーズンともに苦労している。
確かにサイズに見合わぬスキルを持っているが、「NBAレベルでは通用しない」これが今の評価だ。フィールドゴール成功率も高くなく、キャリア全体で30%台と伸び悩みが続いている。
しかし、生まれ持った天性の身体的特徴は偉大な選手になれる土台と言える。オフェンス面で驚異的になることが出来れば、どのチームからも需要がある選手になれるかもしれない。
ボル・ボル
所属チーム:オーランド・マジック
昨シーズンスタッツ:2.4得点、1.4リバウンド、0.4アシスト
220cm近い長身を持ち、多彩なスキルを秘める新世代センター。スリーポイント精度は高くないが、ある程度は運べるドリブルスキル、インサイドでの支配力がある。特にブロック能力に優れ、シーズン2.0ブロック以上を期待できる逸材だ。
しかし、ドラフト指名順位でもNBAでのキャリアも期待されたようには進まなかった。迎えた今シーズンはビッグラインナップを採用したマジックで輝きを放っており、未完の大器が遂に本領発揮をしてくれるかもしれない。