先日終了した夏の祭典、NBAサマーリーグ。
将来有望なドラフト生やNBAでのプレーを夢見る選手が一堂に会し、その能力をいち早く確認できる場となる。今回は2022年のNBAサマーリーグで活躍を見せたプレイヤーを取り上げていく。
なお、試合数の関係上、ポテンシャルが見えにくいこともあり、3試合以上出場した選手のみ対象としている。
ドラフト上位選手は基本的にレギュラーシーズンでの起用が想定されており、数試合の出場にとどまる傾向が強いため、今回紹介する選手も多くがドラフト外選手だ。こういった機会ならではの選手に是非注目して欲しい。
トミークース
サマーリーグスタッツ:17.3ポイント/2.0リバウンド/3.3アシスト
オーランドマジックの一員としてプレーした24歳のオールドルーキー。
サイズも身体能力も高くはないが、落ち着いたプレーで効率よくスコアリングする選手で、40%のスリーポイント、58%のフィールドゴール成功率を記録している。
シュートフェイクの使い方が上手く、ゆったりとしたモーションからスピードのあるファーストステップで相手を置き去りにし、ディフェンダーの位置に合わせてフローターやジャンプショットといったオフェンスを使い分けている。緩急の使い方が非常に巧いイメージだ。
まだ所属先は決まっていないが、そのオフェンスの才能はガードのセカンドユニットとして獲得を狙うチームもあるかもしれない。
個人的にはウィザーズかペイサーズ辺りにマッチしそうな気がしている。
マクマクラーン
サマーリーグスタッツ:13.4ポイント/3.6リバウンド/4.8アシスト
昨シーズンは主にGリーグでプレーし、新人王を獲得した有望株。
今年のサマーリーグではゴールデンステイトウォリアーズの一員としてプレーしている。
同チームではジェームズワイズマンが復帰するということもあって、話題がワイズマンに寄っているところもあるだろうが、このマクラーンも印象的な活躍をしたと言ってよいだろう。
ハンドリングスキル、シュートタッチ、パススキル、スティールの巧さとガードに必要な能力を兼ね備え、場面に応じたプレーの取捨選択が非常にうまい。
特にドリブルの位置取りに長けており、直接的でも間接的にも得点機会の創出に繋がる。タイプとしてはイマジネーション型でノールックやビハインドパスで魅せるプレーを演出してくれる。
サイズはそれほど高くないものの、ダブルクラッチでビッグマンをいなすプレーも得意としており、育成次第ではチームのエース級としても飛躍を遂げそうだ。
なお、サマーリーグの活躍によってウォリアーズと1年契約を勝ち取っている。
キーガンマレー
サマーリーグスタッツ:23.3ポイント/7.0リバウンド/2.0アシスト
今年のNBAドラフトで4位指名されたキングスの次期エース候補だ。
203cmの身長ながら、機動力とフィジカルを兼ねそなえたオールラウンダーで、キングスに不足していたフォワードポジションでレギュラーシーズンも大いに活躍が期待できる。
元々得点能力に定評のあるプレイヤーだったが、サマーリーグで力を発揮したのはアウトサイドシュートの効率性だろう。平均8.8本のスリーポイントアテンプトながら、40%と非常に高い確率で決め切っており、ペイントエリアを中心に攻めるキングスにとっては新たな武器を手にすることになる。
先日のトレードではシューターのケビンハーターも加わっており、フォックスやサボニスのプレーエリアを広げる役割とスコアラーとしての役割を期待したい。
JDデイビソン
サマーリーグスタッツ:13.0ポイント/4.8リバウンド/8.2アシスト
今年のドラフト53位でボストンセルティックスに指名された選手だ。
スピードのあるプレイメイカーでサマーリーグのアシスト数でトップの記録をマークしている。
ドリブルでディフェンダーを引き出し、フリーの味方へパスを出す選手のため、シューターが揃うチームではかなり活躍が出来そうだ。もちろん自身でも46%のスリーポイントを放つことが出来、その攻撃力は申し分ない。
所属チームはガードが多く、優勝を狙うチームなだけにプレータイムは限られそうだが、19歳とまだまだ若い選手。
主力のテイタム、ブラウンが30台を迎える頃には成長を遂げているだろうし、優秀な若手を多く抱えるセルティックスは今後数年に渡って、NBAの覇権を握るかもしれない。
キャムトーマス
サマーリーグスタッツ:27.5ポイント/4リバウンド/2アシスト
昨年のレギュラーシーズンでは在籍チームにスター選手が多くいたこともあり、プレータイムが伸びなかったNBA2年目を迎える選手だ。しかし、プレータイムを貰えればしっかりと活躍できることを証明しており、昨シーズンも28分の出場で27ポイントをマーク。
今シーズンのネッツはデュラントの去就問題も話題に上がっており、ネッツが再建へと歩みだすのであれば、次期エース候補は間違いなくトーマスになるだろう。
得点のバリエーションに優れており、勝負強さを備えるポテンシャルは持っているため、今年こそローテーションの一角としてプレーすることを期待したい。
サマーリーグで活躍できた選手がレギュラーシーズンで活躍するとは限らず、その逆も然り。サマーリーグで実力を証明できなかった選手もレギュラーシーズンという本番でその力を見たいところだ。
今後数年でどのような活躍を見せるか楽しみにしていきたい。