2022-23シーズンも折り返しを迎え、レギュラーシーズンの半分以上を消化した。オールスターブレイク終了し、本格的にポストシーズンを目指す真剣勝負に突入する。今回は前半戦で目立つ活躍を見せた選手を紹介していこう。やや主観的な選出はご了承いただきたい。
ボル・ボル
今シーズンスタッツ:11.9得点、6.9リバウンド、1.5ブロック
開幕直後にも注目選手として取り上げた220cmの長身プレイヤー。圧倒的なサイズを誇りながらも、多彩なスキルを秘める新世代センター。今シーズンはビッグラインナップを採用するオーランド・マジックの戦術を受け、主力へと定着している。
サイズを活かしたインサイド勝負以外にもスリーポイントの確率を上げており、アウトサイドショットで脅威になりつつある。エースのパオロ・バンケロはややインサイド勝負に持ち込むスタイルのため、スペースを空ける意味でも大きな貢献をしていると言えるだろう。
元々得意としていたブロック能力も披露し、リーグ屈指のブロッカーとしてリングを死守。いよいよ未完の大器が本領発揮をしてくれるかもしれない。
ボヤン・ボグダノビッチ
今シーズンスタッツ:21.2得点、3.6リバウンド、2.8アシスト
デトロイト・ピストンズへのトレードはキャリアを低迷させる出来事になると感じていた。主力は若い選手が多く、再建によるプレータイムの制限を予想していたためだ。
しかし、良い意味で裏切り、キャリアで最も好調なシーズンを送っている。エースからサードスコアラーまで任せられ、アウトサイドショットにも定評のあるスタイルはリーグでも良い評価を得られていると思う。
チームからは2年の契約延長があったが、オフシーズンのトレードも十分にあり得そうだ。
※個人的には契約の切れるボグダノビッチをフリーで放出するのを防ぐため、良いローテーションプレイヤーを獲得できる20Mほどで再契約したのではないか…とも考えている。
いずれにせよこの活躍はピストンズにも大きなメリットをもたらすだろうし、ベテランの域に達しながらも成長するボグダノビッチの姿を引き続き見たいものだ。
デニス・スミスJr
今シーズンスタッツ:8.0得点、2.8リバウンド、4.8アシスト
ボル・ボルと同じく、開幕直後に注目選手として取り上げたデニス・スミスJr。かつては派手なモンスターダンクで人気を集めたアスレチックガードだった。
リーグのトレンドであるアウトサイドショットが求められることもあり、ジャーニーマンとなっていたが、シャーロット・ホーネッツは強みを活かせる絶好のチームとなっているかもしれない。
アウトサイドの効率はやはり苦しんでいるが、スピードを活かしたホーネッツのスタイルとマッチしており、プレーメイクでチームを支えている。隙を見たスティールも狙っており、持ち前の運動能力は攻守で貢献を見せている。
ケリー・ウーブレイJr
今シーズンスタッツ:20.2得点、5.1リバウンド、1.2アシスト
その風貌によるイケメンバスケ選手のイメージでインパクトがあったと思うが、今シーズンはスタッツでもインパクトを残している。
エースのゴードン・ヘイワードが本調子でなく、司令塔のラメロ・ボール、シューターのテリー・ロジアーとともにオフェンスを担う。
本来は身体能力を活かした対人ディフェンスが評価されていたが、20点以上をアベレージ出来るようになったのは、間違いなく総合評価を上げることに繋がっているはず。シーズン終了後に切れる12Mという安い契約は、ベースアップされることが予想される。
ラウリ・マルカネン
今シーズンスタッツ:24.6得点、8.6リバウンド、1.9アシスト
開幕前の大型トレードでクリーブランド・キャバリアーズからユタ・ジャズへとチームを移したフィンランドの至宝。EURO2022の活躍そのままに、今シーズンは大暴れしている。
低かったジャズの下馬評を覆す口火を切ったのは間違いなくマルカネンの活躍にあると思う。ヘッドコーチ交代で更に勢いを増したパスムーブ主体のオフェンスは、マルチな才能を持つマルカネンに水が合っている。元々ガードには勢いのある選手が揃っており、ビッグマンでも起点になれるスタイルは、どこでも点が取れるリーグ随一のアタッキングバスケを生み出した。
キャバリアーズ時代からフィジカルも身に着けており、かつてはシューターとしてのスキルセットでしかプレーできなかったが、ドライブで仕掛けるシーンも多く見受けられる。それでいて40%以上のスリーポイントは驚異でしかない。
非常にバランスの取れたオフェンシブビッグマンとして、今後も活躍が期待できそうだ。
タイリース・ハリバートン
今シーズンスタッツ:20.2得点、4.0リバウンド、10.2アシスト
ユタ・ジャズと並んでサプライズを起こしているインディアナ・ペイサーズの司令塔。
サクラメント・キングス時代は効率的なシューターとして評価されていた。
ディアロン・フォックスがハンドラーとして君臨した古巣と違い、再建期のチームでハンドラーになったことで、その素質を遺憾なく発揮している。平均ダブルダブルを記録し、圧倒的なアシスト数はリーグ1位を記録。
エースタイプのプレイヤーがチームにいないことも功を奏しているかもしれないが、決して決定率が高くない再建チームでこのスタッツを残しているのは素晴らしい。
線の細さが疑問視されていたこともあったが、ガードながらもリバウンドに絡める能力は総合的な力を感じさせる。
シェイ・ギルジャス・アレクサンダー
今シーズンスタッツ:30.7得点、4.9リバウンド、5.5アシスト
年々ステップアップを遂げる再建サンダーの希望の星。昨シーズンですら平均24.5得点を記録し、大きく評価を上げていたが、遂に30得点を超えてきた。スリーポイントより中のエリアでは圧倒的な得点効率を誇り、リング周辺で多彩なステップを踏み、得点を量産している。
低迷しているチームだからこそボールが集まりやすいという理由もあるが、マークも集中する中で、このスタッツは選手としての強さを感じられる。アレクサンダーが出ているときと出ていないときでは、全く別のチームになるほど影響力は絶大。
選手としての凄さは証明できているため、再建が完了するであろう2,3年後にチームを強くできるかに注目だ。