2022-23シーズンのNBAも残すところあとわずかとなった。少し気が早いが、オフシーズンの契約にも気になって来るところだ。その中でも2019年NBAドラフト選手を注目してみたい。
なぜなら今オフが契約延長の最終年となる言わばデッドライン。契約見送りとなれば、今シーズン終了後に制限付きフリーエージェントとなるからだ。既に契約期間が終了しているため、多額の延長契約を果たした選手とそうでない選手が分かれている。
契約延長は下記の11選手
・ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
・ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)
・RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)
・ディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)
・ダリアス・ガーランド(クリーブランド・キャバリアーズ)
・タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)
・ブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)
・ナシール・リトル(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
・ジョーダン・プール(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
・ケルドン・ジョンソン(サンアントニオ・スパーズ)
・ケビン・ポーターJr(ヒューストン・ロケッツ)
リーグを代表するメンツが並んでいるわけだが、11選手しか延長がされていない。今回は契約延長がされず、今シーズンの活躍が試される選手を取り上げていく。補足をしておくと、今年のオフにクオリファイングオファーが行使されれば、もう一年残留することになる。
※カッコ内のチームはドラフト後に入団したチーム
コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ/7位指名)
昨シーズンスタッツ:12.7得点、3.0リバウンド、2.9アシスト
2020-21シーズンの2年目をピークに成績が下降しつつあるスコアリングガード。名門ノースカロライナ大学で活躍したことで7位指名と評価されていたが、着実に成長しているチームとは対照的な状況だ。
強気な姿勢でアウトサイドショットを放つことが強みだが、時にそのショットセレクションが疑問視されることもある。
また、ガードながらターンオーバーも多い点も気になっており、冷静なプレーで周りを活かすプレーが高まってくることを期待したい。逆にその得点力を活かしたシックスマン的なベンチからの起爆剤の方がマッチするかもしれない。
ジャクソン・ヘイズ(ニューオーリンズ・ペリカンズ/8位指名)
昨シーズンスタッツ:9.3得点、4.5リバウンド、0.6アシスト
210cm越えの長身ながら機動力を併せ持つビッグマン。プレースタイルは守備的なセンタータイプで得点能力が高いとは言えず、アウトサイドショットも苦手としている。
それでもトランジションで走り負けない走力は魅力で、現代型ビッグマンの素質は備えていると言えるだろう。ザイオンの復帰もあり、今シーズン好調のペリカンズで一気にプレータイムが減っているのは気がかり。
八村塁(ワシントン・ウィザーズ/9位)
昨シーズンスタッツ:11.3得点、3.8リバウンド、1.1アシスト
完成されたフレームを持つフォワード。正確なミッドレンジショットを武器としているが、最近はスリーポイントにも磨きをかけている。
課題とされているのはディフェンス能力で、サイズの割に機動力が高くなく、横の動きについていけないシーンがある。スモールフォワードではなくパワーフォワードでメインに起用されているのはそう言った影響も大きいだろう。
一方でフィジカルには優れるため、インサイド勝負で競り負けない点はストロングポイントだ。レイカーズ移籍後はウィザーズよりも重要なロールが託されているのは確かで、今後の動向には注目したい。
キャム・レディッシュ(ニューヨーク・ニックス/10位)
昨シーズンスタッツ:10.1得点、2.1リバウンド、1.0アシスト
名門デューク大学出身でポテンシャル抜群のオールラウンドフォワード。波に乗った試合はポール・ジョージと比較される選手で、アウトサイドショットとディフェンスを得意としている。と同時に好不調の差がある選手であり、クラッチタイムで重要なショットを沈めることもあれば、完全に消えることもしばしば。
才能を引き出すことが出来れば、チームの主軸としても活躍できる素質があるだけに、新天地ブレイザーズでの飛躍を期待したい。
キャメロン・ジョンソン(フェニックス・サンズ/11位)
昨シーズンスタッツ:12.5得点、4.1リバウンド、1.5アシスト
順位が一つ違いで同名が続くが、サンズの方のキャメロンだ。フェニックス・サンズのフォワードらしい3&Dの典型的なタイプで堅実にチームへ貢献してくれる。決して目立つタイプではないが、どのチームでプレーしてもハズレが無いタイプの選手と言える。
ジェイ・クラウダーが去ったサンズにとって、キャメロン・ジョンソンの存在は重要で延長の可能性は高いように思う。
しかし、サラリー状況は良くなく、クオリファイングオファーが濃厚。2年後のオフに良い契約が貰えるような確固たる立場にしたいところだ。
PJ・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ/12位)
昨シーズンスタッツ:10.3得点、5.2リバウンド、2.3アシスト
最初の2年こそ順調だったが、昨シーズンは急成長したマイルズ・ブリッジズにスポットライトを奪われてしまった。そのブリジッズが今オフに問題を起こしたことにより、思わぬ形で活躍の機会が回ってきたが、漏らさず活用したいところだろう。
スモールロスターのホーネッツにとってインサイドは弱点だが、ワシントンは200cmと小柄でもリバウンドに絡むことが出来る。今シーズンは定期的に主力不在のホーネッツで得点源になっており、重要なピースとなっている。引き続き活躍を続けて欲しいところだ。
チュマ・オキキ(オーランド・マジック/16位)
昨シーズンスタッツ:8.6得点、5.0リバウンド、1.7アシスト
アウトサイドショットとディフェンスを得意とするフォワード。元々高い素質を秘める選手として知られていたが、ドラフト指名時は前十字靭帯断裂の影響もあり、指名を見送るチームが多かった。それでもマジックは指名を行い、懸命なリハビリにより2年目から正式にNBAの舞台でプレーをすることとなった。
マジックのフォワードは選手層が厚みを増しており、セカンドユニットとリザーブの中間という立ち位置で序列は高くないが、影からチームを支えられるサポートキャストとしてマジックとの相性は良いと思う。ローテーションプレイヤーとしてもその価値を示したいところだ。
ニッケル・アレクサンダー=ウォーカー(ユタ・ジャズ/17位)
昨シーズンスタッツ:10.6得点、2.9リバウンド、2.4アシスト
非凡なパスセンスと得点力を持つコンボガード。今シーズンは主力放出となったユタ・ジャズでもプレータイムが貰えず、ウルブズへとトレードされている。
怪我が多く、3分の1を欠場することも評価を下げる要因だろう。ガードが不足するチームでは活躍できると考えており、ウルブズという新天地で爪痕を残せるかは注目だ。
マティス・サイブル(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/20位)
昨シーズンスタッツ:5.7得点、2.3リバウンド、1.1アシスト
リーグを代表する守備選手ではあるが、得点力が低く、評価が難しいガード。活躍できる場が限定的であり、主にリードしている場面でないと起用しにくいことが弱点だ。
エース対策として欲しがるチームもあるだろうが、文字通り「チームを選ぶ選手」。スリーポイントスキルを身に付ければ、3&Dとして重宝されるだけに技術力の向上を期待したい。
グラント・ウィリアムズ(ボストン・セルティックス/22位)
昨シーズンスタッツ:7.8得点、3.6リバウンド、1.0アシスト
少しずつではあるが、毎年着実に成長を続けているフォワード。昨シーズンはスリーポイントの向上を見せ、41.1%で沈めてみせた。
個で崩すタイプではないが、ディフェンスとアウトサイドショットで貢献できるチームプレイヤーであり、セルティックスのスタイルにもマッチする。
キャメロン・ジョンソン同様に、まずはクオリファイングオファーが予想できる。本人としては2年後のシーズンを見据えたいところだろう。