2022-23シーズンも残すところあと僅かとなり、熾烈なポストシーズン争いに突入している。今回は今シーズンの後半戦に期待したい7人を紹介していこう。
ディアンジェロ・ラッセル
所属チーム:ロサンゼルス・レイカーズ
2月のトレードでミネソタ・ティンバーウルブズからレイカーズへと活躍の場を移したコンボガード。ルディ・ゴベアを獲得した大型補強のウルブズでは上手くいかなかったが、レイカーズではどうなるだろうか。
ポストシーズン争いは絶望的と見られていたが、ここ最近の躍進で可能性を見せ始めている。柱のレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスの負傷が目立つ中、古巣凱旋のラッセルには期待せざるを得ない。
プレースタイルはボール保持のハンドラーガードで、自身が中心のチームでは輝きを放つだけに、レブロンとデイビスとの相性はまだ分からない。実際にネッツ時代は活躍し、アンソニー・エドワーズとの相性がイマイチだったウルブズではその価値を証明できなかった。
それでもラッセルの持つ独特なリズムと得点能力は下位に沈むチームにこそ活力を与えそうで、今のレイカーズは今までのラッセルが身を置いていた環境に似ている。彼の持つスタイルを最大限に発揮できるのか、そして2大エースとの共存は叶うのかは注目だ。
マイルズ・ターナー
所属チーム:インディアナ・ペイサーズ
再建に踏み切ったペイサーズで唯一残留しているセンタープレイヤー。今シーズンはタイリース・ハリバートンの素晴らしい活躍に目を奪われるが、インサイドの大黒柱であるターナーの活躍無くして、ペイサーズの成功は難しいのではないだろうか。
毎年のようにゴベアとブロック勝負を繰り広げるリムプロテクターぶりは、攻撃センスに優れる若手選手を後方から支える縁の下の力持ちだ。
そしてアウトサイドショットも備えるスキルはペイサーズの戦術にマッチ。リック・カーライルが得意とするファイブアウトのアウトサイド戦術にも問題なく対応できる。
ややペースの早い展開にもシフトチェンジするが、遅れない走力もセンタープレイヤーとしては魅力だろう。
キャム・レディッシュ
所属チーム:ポートランド・トレイルブレイザーズ
名門デューク大学出身でポテンシャルを秘めるウイングプレイヤー。今シーズンはアトランタ・ホークスからニューヨーク・ニックスへのトレード、そしてブレイザーズへの移籍と慌ただしい時期を過ごすこととなった。
ホークスやニックスでも才能の片鱗を感じる勝負強さを見せていたが、最大の欠点は試合ごとの好不調だろうか。調子は良い時はショットを外すことなく、クラッチショットも沈めるスーパースターだが、そうでないときは試合から消えてしまうことがある。
それでも秘めるポテンシャルは抜群で、ディフェンス能力を備えるスタイルは優秀なツーウェイプレイヤーになれる素質がある。再建とポストシーズン争いの両方を推し進めるブレイザーズでは活躍の機会もあるだろうし、チーム躍進のエックスファクターとしての飛躍を期待したい。
ディアンドレ・ハンター
所属チーム:アトランタ・ホークス
優秀なミッドレンジスコアラーのウイングプレイヤー。左右45度以外のツーポイントエリアであれば、高確率でショットを沈める正にハンターだ。
今シーズンのホークスはエースのトレイ・ヤングに加え、デジョンテ・マレーを補強したものの伸び悩みが続いている。ツーガードの連携が想定よりも良くないのはあるだろうが、第3,4の選手の活躍が重要と言えるだろう。ジョン・コリンズの成績が下降している中、その役目はハンターに託されている。
守備能力の低いチームにおいて、守備面のタスクが重くのしかかっているが、攻撃においても獅子奮迅の活躍が求められる。
カイル・クーズマ
所属チーム:ワシントン・ウィザーズ
リーグを代表するオールラウンドフォワード。レイカーズ時代はレブロンやデイビスを引き立てるサポート役として活躍し、現チームのウィザーズではほぼセカンドスコアラーとしてチームを牽引している。
チーム状況に応じてそのロールを変化できるのが最大の強みだが、ブラッドリー・ビールを軸とする今のチームでは、どの役割に収まるかを決めるシーズンになっているだろう。
クリスタプス・ポルジンギスもチームにフィットし、20得点以上をアベレージしているが、
チーム成績が上がらないのはチーム全体の出来が良くないことを表しているのかもしれない。アシスト役としてチームを活かすことが出来るだけに、22得点のスタッツを落としてでもアシストに重点を置くのも面白そうだ。
フィジカルを活かして多くのリバウンドを獲得できるのも魅力的。
マイク・コンリー
所属チーム:ミネソタ・ティンバーウルブズ
ラッセル・ウェストブルックを含む3チーム間トレードでジャズから移籍したザ・ポイントガード。確率の高いスリーポイントやパスファーストでチームを動かせる司令塔で、歴代でも過小評価されている選手の一人だろう。性格面も素晴らしく、上手くいかないウルブズを良い方向に導いてくれるかもしれない。
前ポイントガードのディアンジェロ・ラッセルとの大きな違いはエースのアンソニー・エドワーズの活かし方だ。ややボールを持ちたがるラッセルはエドワーズの得点力を活かしきれず、チームは機能しなかった。コンリーになってからはシンプルにボールを預け、エドワーズを活かすスタイルでオフェンスの方向性が明確になっている。
クリス・フィンチ体制の下でディフェンスは向上しているため、昨シーズンから大幅に低下したオフェンス力の改善が求められている。その一端を担うのはチームを回す司令塔、マイク・コンリーなのかもしれない。
カワイ・レナード
所属チーム:ロサンゼルス・クリッパーズ
説明不要のスーパースター、レナードを最後に取り上げる。表情を変えずに得点を稼ぎ、相対するエースを抑え込むスタイルはNBA界のサイボーグだ。
今シーズンは前半戦の多くを欠場し、チームも波に乗れなかったが、復帰後は上昇傾向。同僚のポール・ジョージも一番手を譲るほどに、その絶大な存在感を感じさせる。
ここ最近は圧倒的なロスターを誇りながらもNBAファイナルへ届かなかったクリッパーズ。
サンアントニオ・スパーズとトロント・ラプターズを優勝に導いた優勝請負人は、今シーズンこそその舞台に導き、チャンピオンリングをもたらすことはできるのだろうか。
トレード市場で更なるロスター強化を施したチーム状況に隙は無い。あとはエースプレイヤーがどこまでその領域へ引き上げることが出来るのか、シーズン終了後の結果が楽しみだ。