5月27日、NBAプレーオフのウェスタンカンファレンスファイナル、ゴールデンステイトウォリアーズとダラスマーベリックスの第5戦が行われた。
前半終了までに17点のリードを奪ったウォリアーズが120-110で勝利を収め、3年ぶりのファイナル進出を決めている。この試合ではクレイトンプソンが32得点、アンドリューウィギンズが18得点10リバウンドを記録したほか、計6人の選手が二桁得点を沈め、チームとしての完成度が上回った。
一方のマーベリックスはドンチッチが28得点9リバウンド6アシスト、スペンサーディンウィディーが26得点を記録するもシーズン終了となった。
見せたマーベリックスの可能性
ただし、ウォリアーズの復活を感じるシリーズだっただけでなく、マーベリックスの可能性も感じる内容だったといえる。プレーオフでのマーベリックスはウォリアーズのお株を奪うようなスリーポイント攻勢でレギュラーシーズンより4本多い41.5本をアテンプト。
ドンチッチのスペースを広げるための戦術としてカーライル時代からあったオフェンスセットだが、プレーオフでの躍進を続けたジェイレンブランソンのドライブスペースを空けることにも繋がっている。
ドンチッチとブランソンの合計で50得点以上を稼ぎ出していることを考えると、その戦術は見事に機能しているといえ、ただ打つのではなく38.0%と質の良いショットは確かにアウトサイドの脅威となりえていた。その結果、インサイドのスペースを生み出すことに成功している。
形こそ違えど、ウォリアーズのスタイルにも通ずるものがあるのではないだろうか。
ウォリアーズはシューティングチームではない
また、ウォリアーズはスリーポイント集団で非ず。
リーグ屈指のシューターを揃えるチームなだけにイメージが先行してしまいがちだが、ドライブからのレイアップといった得点パターンも非常に多い。
特にカリーは得意のスリーポイントをフェイクに近い、ペネトレイトを積極的に仕掛けていく。トンプソンに関しても同様で、キャリア初期こそキャッチ&シューターとして活躍をしていたが、最近はドリブルの機会も増えている。
これもファイブアウトによるアウトサイドの脅威があってこそのスペースの活用と言えるだろう。
両者の違いはチームとしての熟練度といったところだろうか。
キッド体制はまだ1年目。主力のドンチッチもまだまだ若く、これからの可能性は無限に広がっている。今後数年に西のプレーオフ常連となる日もあるかもしれない。
そして、ウォリアーズに関しても2010年代を席巻したあの強さの復活を再び見たいところだ。
ウォリアーズはウエスタンカンファレンスの覇者となったが、今シーズンより設立されたカンファレンスMVPに与えられる、アービン“マジック”ジョンソン・トロフィーがカリーに授与された。
次はセルティックスとNBAファイナルを戦うことになる。