2021-2022シーズン ニュース

レイカーズのプレーオフ消滅から見る、勝てるBIG3と勝てないBIG3の違い【NBA】

レイカーズは現地時間4月5日、首位のフェニックス・サンズと対戦し、110-121で敗退。
同日カンファレンス10位のサンアントニオ・スパーズがデンバー・ナゲッツに116-97で勝利したことで、プレーイン・トーナメント出場の可能性が消滅しました。
これによりレギュラーシーズンの終了と同時に彼らのシーズンも終了するわけですが、
開幕前には優勝の可能性も期待された今年のレイカーズがなぜ上手く行かなかったのかを考えます。
そして、現代のNBAではBIG3体制は本当に強いのかも考えていきましょう。

「現代NBAでBIG3体制は本当に強いのか」

レブロンジェームズ、アンソニーデイビス、ラッセルウエストブルックによるBIG3
(C)Getty Images

開幕前に話題となったBIG3も3人揃っての出場は21試合にとどまり、アンソニーデイビスはこのように語っています。
「俺たちが全員健康体であれば上手く行っていたかもしれない」
ただそれは結果論であり、去年もサンズとのプレーオフで敗れた際には同様のことを話していました…
それを「勝負事には怪我という運も付き物で、我々はそれをものにした」とブッカーに一蹴されてしまったわけで、レイカーズとしては2年連続で同じような過ちを繰り返してしまったわけですね。

開幕前に大型トレードでウエストブルックが加入
(C)Getty Images

ただ今年はそれに加えてもう1つ大きな間違いをしたように思います。
それはウエストブルックを加えたBIG3体制の構築。仮に怪我をしなかった場合でも、全員揃った21試合中11勝10敗と勝率は5割。
普段のプレーオフ争いでは出れるかどうかの瀬戸際といったところでしょう。ビッグネームを揃えた時にどうなるか、それが上手く作用することもあれば失敗もある。
その失敗例が今シーズンのレイカーズだと思います。

まあこの理論も言ってしまえば結果論です。
僕自身、開幕前には今シーズンのレイカーズは強いと思う派閥でしたので…
ただ今年の結果を受けてやっぱりビッグネームを集めるチームは上手くいかないものだと実感しました。
ハマれば強いのは当然ですが、お互いの個性がぶつかり合って上手くいかないのが大半かと思います。
実際今シーズンのレイカーズがプレーオフを逃した瞬間も「マジか!」とはならずに、「あーダメだったか」くらいの感覚で、心のどこかでレイカーズの強さを信じていない部分もあったんでしょう。

冷静に考えれば、最近のNBAはロールプレイヤーも重要性を増しており、3人で120Mのサラリー状況ではチームも上手くいかないのは現実的なところです。

レイカーズのサラリー状況

基本的には単年で安い契約でしかサポートキャストを集められませんし、コアメンバーはそのままでもチームの大半が入れ替わってしまうようではビッグネームが揃っても連携が疎かになってしまい、チームとして機能しませんからね。
既にプレシーズンマッチの全敗が今シーズンのレイカーズが上手くいかないことの予兆だったかもしれないです。

では、ここで最初に挙げたBIG3体制が強いのかどうかを考えていきましょう。
サラリー的なインパクトを踏まえてBIG3体制をしているチームは、下記の7チームです。
・マイアミヒート
・ミルウォーキーバックス
・フィラデルフィアセブンティシクサーズ
・ブルックリンネッツ
・ゴールデンステイトウォリアーズ
・デンバーナゲッツ
・ロサンゼルスレイカーズ
思いの外、多かったですね。
今シーズンの成績を考えると、ネッツとレイカーズ以外は順当に勝てている印象です。

今シーズンの順位表 4/7時点

そして、この中のチームで勝てているチームと苦戦しているチームには共通点があって、
勝てている5チームはチームの入れ替えが少ないこと。
そして、苦戦しているネッツとレイカーズは大幅にロスターの改革がされていること。
要はタレント力は共通して持っているが、チームとしての完成度に違いがあります。

今シーズンのレイカーズはレブロンの出来に左右されることも多く、チームで戦うというよりは個人技でどこまで通用するかという状況にあったと思います。
元々レイカーズはレブロンのプレイメイク力とロールプレイヤーが二桁得点を取り、強固なディフェンスで堅実に勝つのがスタイルでしたが、今シーズンのレブロンは昨シーズンと比較して、アシストが1.6減少し、得点が5.3増えています。
自分でやらなければならない状況にまで陥ったわけですね。

レブロンジェームズのスタッツ

新しいメンバーが多かった分、ケミストリーの構築が完全には至らなかったのが大きな失敗の要因かと思います。
もちろんウエストブルックとの相性云々はありますが、一番は連携面だといって良いでしょう。
2番目の理由にサポートキャストの質も考えようにはありますが、マリークモンクやTHT、そしてメロ、個人的に戦力は申し分ないと考えてます。

「総括」

私は今年のレイカーズの結果を受けて、BIG3だろうがデュオ体制だろうが、結局は連携面が重要かと思います。
そうなった時に気になるのは他の5チームですね。5チームとも来シーズンまではコアメンバーの戦力をほぼほぼ維持できます。
ただ2年後のシーズンは本当の主力しか残らなくなるので、サポートメンバーはある程度入れ替わってしまうといってよいでしょう。
そうなった時にしっかりと連携を構築していけるのかどうか、逆に構築できなかった場合はネームバリューでは勝てずに連携面が重要なピースとなるのか。
そういった判断も出来るので、チームが入れ替わるであろう2,3年後のことを考えるに早すぎますが、覚えておくのも良いかもしれません。
ただ今シーズンはグリズリーズやラプターズといったビッグネームが少ないチームが上がってきているので、やはり連携面は当然キーとして考えておきたいですね。

やはり連携面/ケミストリーは重要

関連記事