3日間に渡って開催された年に一度の祭典、NBAオールスター2023が終わりを迎えた。今回は今年のオールスターについて感じたことを綴っていく。
ライジングスターズ
どの若手が長年活躍するか、将来のスターを予想するのが好きな私にとっては、リーグを代表するスターが集結するオールスターよりも初日を一番楽しんでいるかもしれない。
昨年からフォーマットが変更され、様々な選手を見れるようになったのは面白く、再建チームの試合を見ないファンにとっては新たな発見があるはずだろう。Gリーグの選手も加わることで、ドラフトの予習にも繋がってくる。
今年はニューオーリンズ・ペリカンズのハッスルガード、ホセ・アルバラードの活躍が目立ったが、所属するチームでは重要な役割が与えられるわけではない。そういった選手にもスポットが当たるのは、玄人なファンからしても嬉しいはずだ。
リラックスしたゲームだからこそ生まれる意外なプレーは、各選手が備える隠れた才能を発見できる場とも感じている。
一方で若手の品評会という側面もあり、オールスターゲームよりもややハードな展開になるのも魅力だ。
スキルズチャレンジ
過去のオールスターイベント関連では最も変更が加わっているイベントだろう。チーム制にしたことで緊張感が高まるし、やはりビッグマンも出場するのは面白い。
今年は地元ユタ・ジャズの選手から成る「チーム・ジャズ」が優勝を果たした。
二年連続でアデトクンボ兄弟のチームが出場しているが、今後も何かしらの関係を持つチームは引き続き参加をしてほしい!
スリーポイントコンテスト
今年はクラッチの申し子であるデイミアン・リラードが勝者となった。持ち前の勝負強さを見せつけたが、私としては意見のあるイベントだ。それは二度のラウンドで勝負させるのではなく、一発勝負で決めて欲しいということ。
確かに二度の挑戦はまぐれの優勝を防ぎ、ショットの正確性をより計測することが出来るだろう。ただし、ファーストラウンドのタイリース・ハリバートンの素晴らしい結果を無視することはできず、二回目の出来で優勝を逃してしまったのは悲しい。
セカンドラウンドを実施するのであれば、ファーストラウンドの結果も加味したうえで、優勝を決めると面白いように感じる。
ダンクコンテスト
恐らく今年のオールスターで一番盛り上がったイベントではないだろうか。サマーリーグで良いプレーを見せながらも契約に至らなかったマック・マクラングが王者となった。
ザック・ラビーンとアーロン・ゴードンが躍動して数年、最近は下火だった花形コンテストは今年大いに盛り上がったように思う。
少し前まではGリーガーだったマクラングが圧倒的なパフォーマンスを披露。ファーストラウンドこそ満場一致の50点を逃したが、4本の内3本で満点を記録。妥協気味の判定で50点を記録したのではなく、誰もが納得のダンクを見せてくれた。
参加した他3選手とは予選の段階から違いを見せつけており、観客も味方につけたセカンドラウンドは勝負の前に結果が決まり切っているほどだった。
私的な意見だが、ダンクコンテストは身体能力の高いガードが強いイメージがある。ジェリコ・シムズのダンクはビッグマンらしい力強さがあるが、動きのパターンに限界がある。小柄な選手の方が回転や空中のトリックを織り交ぜることが出来、高得点に繋がるのかもしれない。
NBAオールスターゲーム
試合は184-175でチーム・ヤニスが勝利を飾った。勝利したチーム・ヤニスからは10本のスリーポイントを含む55得点、10リバウンドと躍動したテイタムが自身初となるオールスターMVPに選出されている。
ここ最近は改良が加えられるNBAオールスターゲームだが、今年の大きな変更点は試合当日に両チームキャプテンによるドラフトだろう。NBAドラフトもそうだが、選手選考はやはり面白い。
ただ肝心の試合の方は盛り上がりに欠けたかもしれない。ここ数年はコンタクトが激しいオールスターゲームだったが、今年はややオープンな展開だったように思う。レブロン・ジェームズの一人アリウープやハーフコートショットの披露。当のオールスター出場選手も「バスケットボールではなかった」と語るように試合ではなかった。
一方でバスケットボールの進化を感じる試合とも思えた。特にスペースが大幅に空いている時のスリーポイントの確率は素晴らしい。2010年代からスリーポイント全盛の時代と言われるが、最近の選手の技術力の高さを感じる一戦だった。
また、唯一の見どころとして、後半のテイタムとジェイレン・ブラウンによるワンオンワンについてピックアップしたい。SNSのようなメディアでは練習風景のワンオンワンを見ることはできるが、公の場でワンオンワンを披露することはそう多くない。それをオールスターの舞台で複数回見れたのは非常に面白かったし、是非前夜祭のイベントに加える検討をして欲しいものだ。