2022-23シーズンも開幕してから、およそ半分を消化した。
今年はジャパンゲームの開催もあり、例年よりも視聴者数が多いのではないだろうか。今回はそんな今シーズンに注目をして欲しい選手を取り上げていく。
※なお、当記事は開幕前に作成したものとなっている。掲載を先延ばしにしてしまったが、そのような観点から見て欲しい。既に活躍している選手もいれば、そうでない選手もいる。いわば振り返りのような意味合いも含んでいる。
選定基準は下記で選定しており、いずれも飛躍を遂げる可能性のある選手ばかり。
・そもそも試合に出れる立ち位置
・チームの変化でプレータイムが伸びる可能性がある(重要)
・昨シーズン比較で重要な役割が渡されている
・昨シーズンにあまり活躍できなかった
簡単にまとめると昨シーズンとは立場が変わった選手として考えて欲しい
ベン・シモンズ
昨シーズンスタッツ:なし
シュートが打てない大型ポイントガードであるシモンズ。
その弱点は致命的だが、圧倒的な体格から繰り出すスキルは絶大だ。オフェンス力抜群でスコアラーが揃うネッツではそのプレイメイクはいかんなく発揮されるだろう。
そして、最大限に期待されるのはそのディフェンス力。
守備に課題を持つネッツ守備の改善はもちろん、唯一と言ってよいほど層が薄いセンターポジションのディフェンスを補うことが出来る。
欠点以上に活躍できるだけの土壌がこのネッツというチームには備わるだけに、歴代でも屈指の素質を持つ大型ガードの開花を注目したい。
ジェイレン・ブランソン
昨シーズンスタッツ:16.3得点、3.9リバウンド、4.8アシスト
ミラクルニックスを再び実現できる人材になりうるかもしれない。
昨シーズン、ドンチッチ不在でもマーベリックスを支えたスモールガードはニックスに違いをもたらしてくれると思う。
ランドルを軸としたチームの弱点は特定プレイヤーの依存度による得点力不足とパスムーブの少なさ。ややワンパターン化されたオフェンスは読みやすく、無理な体制のショットは決定力が低かった。
このブランソンはニックスに欠けていたスコアリング能力とプレイメイクの両面をもたらしてくれそうで、オフェンスのリズムに変化を加えてくれることだろう。
ブランソンとしてもドンチッチが君臨したマーベリックス時代からステップアップした役割が貰えるのはモチベーションになるはずで、シボドー仕込みのディフェンスが機能すれば、ニックスの躍進が見えてくるかもしれない。
ケイド・カニングハム
昨シーズンスタッツ:17.4得点、5.5リバウンド、5.6アシスト
去年のNBAドラフト1位は前評判の期待から外れ、やや残念な内容で終わってしまったように思う。
しかし、シーズン後半戦になるにつれ、そのポテンシャルをいくらか見せてくれた。サイズを備え、リバウンドにも絡める新時代のガードは間違いなくスターの素質を見せており、再建チームの主役となってくれるはず。
比較されているドンチッチとは得点面で劣るが、本家よりも周りを活かすプレーが上手いように感じており、若きピストンズの全体的な底上げを期待してみていきたい。
そもそも今のピストンズは絶対的なスコアラーが存在せず、チームでの連携が必要不可欠だ。そういったチームではカニングハムの能力は最大限に発揮されるだろうし、昨シーズンスタッツがパッとしなかっただけに、MIPの獲得も2年目ながら見えてくるのではないだろうか?
デジョンテ・マレー
昨シーズンスタッツ:21.1得点、8.3リバウンド、9.2アシスト
遂にチームを離れたスパーズの生え抜きは、そこで学んだ教えをホークスというチームに還元してくれるはずだ。
加入したホークスの弱点はヤングに依存したオフェンス、そしてディフェンス力の低さ。そして、ホークスで求められているマレーの役割はヤングとのマルチハンドラー、ガードディフェンスの改善。
勝ちに行きたいホークスにとってマレーは打ってつけの人材で、マレーらしい活躍がそのままホークスの成功に繋がると言ってよいのではないだろうか。
オフェンスではヤングと違った堅実的なプレーメイクで安定感をもたらしてくれそうで、対ガードに対してのディフェンス力も同時に迎え入れることに成功したホークスは今年こそやってくれるはずだ。
PJ・ワシントン
昨シーズンスタッツ:10.3得点、5.2リバウンド、2.3アシスト
最初の2年こそ順調だったが、昨シーズンは急成長したマイルズ・ブリッジズにスポットライトを奪われてしまった。そのブリジッズが今オフに問題を起こしたことにより、思わぬ形で活躍の機会が回ってきたが、漏らさず活用したいところだろう。
スモールロスターのホーネッツにとってインサイドは弱点だが、ワシントンは200cmと小柄でもリバウンドに絡むことが出来る。そのフィジカルを活かしたペイント内得点も確率が高く、インパクトは少ないだろうが、効率的な選手として堅実な働きが可能だ。
ラメロ・ボールを筆頭に派手なプレーをするホーネッツの中では目立たないかもしれないが、意外な活躍を見せそうなワシントンに注目して欲しい。
カイル・ラウリー
昨シーズンスタッツ:13.4得点、4.5リバウンド、7.5アシスト
昨年鳴り物入りで加入し、成功したオフシーズンと評された一方で実際の出来は満足のいくものではなかっただろう。
レギュラーシーズンは流石のヒートと言うべきだったが、重要なポストシーズンでのラウリーはFG%が30%を割り、望まれた活躍が出来なかった。年齢は35歳と大ベテランの域に差し掛かってきたが、バトラーとヒーローに次ぐ得点源となって欲しいところ。
もちろんディフェンスを得意とする選手なだけに鉄壁のヒートディフェンス向上の方が期待できるかもしれない。
また、そのスタイルはヒートカルチャーに適合する人物像で、オフコートでも若手に経験を伝えてほしいところだ。
カール・アンソニー・タウンズ
昨シーズンスタッツ:24.6得点、9.8リバウンド、3.6アシスト
ゴベアを迎えた今シーズンのウルブズは言い訳の出来ない勝ちに行くシーズンへと突入した。タウンズとしては文字通り攻守の奮闘が求められる。
エースの座をアンソニー・エドワーズに譲ってしまったオフェンス力だが、今シーズンはリーグを代表するスコアリングセンターの力を見せて欲しいし、さらに重要なのはディフェンスでの貢献というよりも改善だろう。
ゴベアの加入でフォワードにポジションが移ることからペリメーターディフェンスに対応する横の動きが必要となる。リング下のディフェンスでも苦手としているタウンズが更なるタスクを与えられたときに機能するかが注目だ。
ラウリ・マルカネン
昨シーズンスタッツ:14.8得点、5.7リバウンド、1.3アシスト
好調のシーズンを迎えた昨シーズンだったが、トレードでジャズにその籍を移すこととなった。再建チームへの移籍はモチベーションの面でプラスかマイナスか分からないが、マルカネンの立場としてはプラスになりうるかもしれない。
何せエースプレイヤーが定まっていないため、キャリアで最も重要な立場になれる可能性がある。もっともコリン・セクストンやテイレン・ホートン・タッカーにも同じことがいえるだろう。
キャバリアーズ時代にはインサイドへの積極的なアタックが見られ、ただのシューターではないことを見せてくれた。ユーロバスケットではフィンランドのエースとして君臨したマルカネンはヨーロッパだけでなく、本場NBAでも覚醒する姿を見てみたい。
ドマンタス・サボニス
昨シーズンスタッツ:18.9得点、12.1リバウンド、5.2アシスト
キングスのキングはフォックスだが、キープレイヤーとして支えるのはサボニスになると思う。
キングスのチーム特徴は個人技主体のオフェンスと課題のあるディフェンスだが、サボニスにはオフェンスの改善をして欲しい。センターながら非凡なプレイメイク能力を秘めるサボニスはニコラ・ヨキッチのようにふるまえると思うし、パスムーブの活性化が期待できる。
連携で崩すことが少ない個の集団から、チームになれるかどうかが成功の要因になると予想する。
トレ・ジョーンズ
昨シーズンスタッツ:6.0得点、2.2リバウンド、3.4アシスト
スパーズ生え抜きのエース、デジョンテ・マレーが移籍したことでプレータイムが大きく増えることが予想される選手だ。個人的に最も楽しみにしている選手で得点力は備えながらも味方を活かすプレーが得意な素質はスパーズにもマッチする。
ガードながらスリーポイントが苦手な面はマイナスだが、ミッドレンジのプルアップやペイントのフィニッシュ精度は非常に高い。ツーポイントエリアを主戦場とするスパーズにとってはむしろ相性の良いタイプでスパーズだからこそ真価を発揮してくれるはずだ。
ジェレミー・グラント
昨シーズンスタッツ:19.2得点、4.1リバウンド、2.4アシスト
再建でも優勝を狙うにも合致しないロスターで実力が読みにくいブレイザーズだが、グラントの活躍次第ではプレーオフ争いに割って入るダークホースになるかもしれない。
ブレイザーズと言えばツーガードの得点力と不安定なディフェンスが特徴だが、このグラントはどちらも底上げできる選手で補強は的確だったと思う。
ちなみに契約は今シーズンで切れるという点も注目すべきポイントだ。チームのエースでもロールプレイヤーでも活躍するグラントはナゲッツ時代から人気銘柄だったが、シーズン終了後にどのチームに行くのか妄想するのも楽しいかもしれない。(流石に早すぎるが…)
ジョン・ウォール
昨シーズンスタッツ:なし
1年間のブランクはあるが、怪我で長期離脱後のロケッツでも素晴らしい活躍を見せてくれた。再建チームのロケッツと優勝を狙うクリッパーズ、チーム事情も異なるため、クリッパーズにとってのウォールの価値は高いだろう。
攻守万能なスタイルはツーウェイプレイヤーが揃うロスター状況、カワイ・レナードをはじめとするスコアラーがいながらもチームで連携するオフェンスはアシスト巧者のウォールとも相性抜群だ。
シーズン終了後にシックスマン賞を受賞する可能性も大いにあるのではないかと予想している。