トレード解禁から早くも2か月。
各チームは大方のロスター構築ができている段階だが、まだまだ去就が気になるFAは多く存在する。今回は新たな契約の可能性がありながらも所属先が確定していない選手7人を取り上げていこう。
フランクジャクソン
昨シーズンスタッツ:10.6得点、1リバウンド、1アシスト
ピストンズのガード過多により放出された感は否めないプレイヤーでガードのセカンドユニット、少なくともサードユニットとしては十分に心強い選手だ。典型的なコンボガードで身体能力をウリとした得点能力が魅力。
ドラフトコンバインではウエストブルックに匹敵する跳躍力を叩き出しており、ロブパスへのフィニッシャーとしても期待できる。スリーポイントの確率も年々向上を見せており、控え選手の爆発力が欲しいチームにはフィットするだろう。
コリンセクストン
昨シーズンスタッツ:16.0得点、3.3リバウンド、2.1アシスト
昨シーズンは大けがの影響もあり、11試合の出場にとどまった。
今でこそガーランドが台頭したキャバリアーズだが、2年前はセクストンが間違いなくキャバリアーズの顔だったと言える。
持ち前の得点力は魅力的だが、セクストン不在でもキャバリアーズの強さが証明されたため、チームとしての優先順位は確実に低下。
その証拠に本来であればマックス契約が提示される今年のオフにも関わらず、クオリファイングオファーにとどまっている。その金額はたったの7Mで他球団もマッチすれば獲得は可能だが、まだ交渉の声は掛かっていない。
今シーズンはキャバリアーズでプレーすることになるだろうが、来シーズンは退団が濃厚だろう。
それでも獲得するチームがあるかどうかは今年の出来に懸かっている。何よりローサイズのガードはその価値を証明しにくいからだ。
ジョシュジャクソン
昨シーズンスタッツ:6.4得点、2.8リバウンド、1.1アシスト
2017年のドラフト4位で獲得されたかつての逸材はサンズ退団後から苦しいシーズンが続いている。それでも昨シーズン途中に加入したピストンズでは才能の片鱗を感じるプレーをいくらか見せてくれた。
課題であるシュート力の向上はまだ見られないが、主にディフェンス面でのハードワーカーとして活躍出来るはず。
ウイングとして恵まれたサイズを備え、年齢も25歳とNBAから姿を消すにはまだ早い。
ツーウェイ契約でも獲得に乗り出す球団はあるのではないだろうか。
渡邊雄太
昨シーズンスタッツ:4.3得点、2.4リバウンド、0.6アシスト
八村塁とともに日本を代表する渡邊もまだ所属先は見つかっていない。
既にラプターズはロスタースポットが埋まってしまい、ラプターズ残留の可能性は既に消滅している。
それでも206cmの恵まれたサイズとアウトサイドシュート能力は昨今のトレンドである3&Dの象徴的な選手であり、ポイントフォワードとしてのパス能力も兼ね備えている。
そのマルチな才能は優勝を目指すチームの一員としても十分プレイできる余地はあると思うし、獲得に名乗りを上げるチームも今後出てくるのではないだろうか。
マイルズブリッジズ
昨シーズンスタッツ:20.2得点、7.0リバウンド、3.8アシスト
説明不要の現役屈指ダンカーだ。
昨シーズンに大きな飛躍を遂げたホーネッツのスコアラーもセクストン同様にキャリアの岐路に立たされている。
今年は大きな契約を獲得できる可能性があったが、DVで起訴されてしまったことで評価を大きく落としてしまった。クオリファイングオファーは提示されているため、恐らく今シーズンはホーネッツでプレーし、来シーズンに新天地を求めることになることが濃厚。
しかし、今シーズン目覚ましい活躍をしても近くラメロボールの契約が控えており、ホーネッツはラメロの契約延長に全力で臨むことになるだろう。
遅かれ早かれ退団は決定的と言えるが、新たな移籍先の候補を増やすためにも来シーズンのFA市場でオファーを貰えるような活躍が必要不可欠だ。
デニスシュルーダー
昨シーズンスタッツ:13.5得点、3.3リバウンド、4.6アシスト
セルティックスにとっては大成功、シュルーダー個人にとっては大失敗の昨シーズンだったが、その影響は今シーズンの契約にも及んでいる。
もともとの狙いはより良い契約を求めての判断だったが、完全に裏目に出てしまい、今ではNBAでプレーできるかどうかの瀬戸際だ。
そのプレースタイルは良くも悪くもチームの出来に大きく影響を与えるが、プレータイムを与えれば一定の活躍をしてくれることも確か。年齢的に役割的にも獲得に乗り出すチームは限定的だと思われるが、上位~中堅チームで控えユニットのインパクトに欠けるチームには相性が良さそうだ。
リーグを代表するシックスマンとしてのポテンシャルはまだ備えている。
デマーカスカズンズ
昨シーズンスタッツ:9.0得点、5.6リバウンド、1.5アシスト
キングス退団後は下降線を描くカズンズだが、昨シーズンは優秀な控えセンターとして活躍したと思っている。当然チームにはヨキッチというMVP選手がいるため、その存在を分かったうえで自身のロールに徹していた。
その姿はかつてリーグを席巻したモンスターセンターではなく、今の限界値を理解し、プライドを捨てた脇役のメンタリティを備えているようだ。
オフェンス力は衰えたものの、ペイント勝負であれば戦えるスキルを持っており、ロスタースポットが空いていれば獲得すべき選手だと思っている。
個人的な意見としてはクリッパーズでウォールとの共演を見てみたく、低サラリーでインサイドの層を厚くする選択肢は良いのではないだろうか。
以上今回は7人の注目FAを紹介した。
他にも私情を挟むが、デニススミスジュニアやカーメロアンソニーといった選手もいる。果たしてリーグ開幕までに彼らは契約を勝ち取れるのだろうか。
その動向に注目したい。